こんにちは(^^)/
バイク館甲府店の塚田です。
今日は前回に続いてオートバイのブレーキについて少しだけ深堀してお届けします。
前回は下の方ブレーキディスク&ブレーキキャリパ―についてでしたが、今回は上の方レバーやマスターシリンダーについてです。
ブレーキレバーを握ると中に入っているブレーキフルード(ブレーキ液)が押されてキャリパーのピストンが押し出されるという構造なので、ブレーキの仕事の半分は上の方レバーやマスターシリンダーが行っています。
今回はマスターシリンダーについてその形状や取付方法にフォーカスしてみたいと思います。
取付方法は大きく分けて2種類で、アキシャルマウント、ラジアルマウントです。
この言葉はブレーキキャリパのところでも出てきましたが、おおよその意味はこちらです、
アキシャル→一線にならんだ、同軸上の、などの意味。ハンドルパイプと同軸上にマスターシリンダーのピストンが動きます。
ラジアル→放射状の、という意味。ハンドルパイプに対して放射状にマスターシリンダーのピストンが動きます。
↑↑↑こちらの写真はヤマハ-03の純正マスターシリンダーで、アキシャルマウントです。
↑↑↑こちらの写真はカワサキニンジャ1000SXの純正マスターシリンダーで、ラジアルマウントです。
性格の差はあれど、どちらもブレーキレバーを握ったときに中に入っているブレーキフルードを押し出す役目をしています。
〇アキシャルマウントはブレーキ液を押し出す力は弱いもののコンパクトに配置でき、製造コストも押さえられます。
コントロール性が良く、小排気量のオートバイや軽量な車体に採用されています。
〇ラジアルマウントはブレーキ液を押し出す力が強く(中には調整できるものもある)、大型のオートバイやスポーツバイクに採用されています。アキシャルマウントに比べて操作がシビア。製造コストは高め。
どちらも一長一短がありますが、純正採用はその車体の性格に合わせて選んでいるようです。
ブレーキレバーも調整式、非調整式があります。
レバーとグリップの距離を調整できるタイプもあります。
↑↑↑こちらは先ほどと同じヤマハのMT-03非調整式ブレーキレバー。
↑↑↑こちらはスズキのSV650Xの調整式ブレーキレバーです。
↑↑↑こちらユーカナヤ製(社外品)のブレーキレバーで調整式です。
ユーカナヤ製はカラーも色々選べますのでドレスアップ効果もありますね!
ちなみに、社外品のブレーキレバーの中にはいわゆる粗悪品もありますので注意してください。
命を守る大切なパーツなのでしっかりとした製品を選びたいですね。
また、社外品として人気があるマスターシリンダーはやはりブレーキのトップブランドである「ブレンボ」製です。
一部純正でもブレンボ製を採用しています。(残念ながら写真無し)
↑↑↑こちらのマスターシリンダーはゲイルスピード(社外品)というブランドです。
製法はアルミ鍛造で削り出し製造です。ブレーキレバーの握りしろ(レバー比)を調整できるタイプ。
ブレーキキャリパのところでもお話しましたが、“アルミ鍛造削り出し”は強度にも優れているのでレースの世界では当たり前の装備となっています。その分製造コストはめちゃ高い。
ブレーキマスターの製造メーカーは、
国内モデルの250㏄以上はそのほとんどが純正でNISSHIN(ニッシン)製です。
外国メーカーは一部ブレンボを純正採用しています。
国内モデルも一部(ヤマハYZF-R1やホンダCBR1000RRRなど)はブレンボ製を純正採用しています。
ご自身のオートバイのマスターシリンダーはアキシャル?ラジアル?ニッシン?ブレンボ?
さて、ここまでブレーキの話をしてきましたが、ブレーキパーツの交換やメンテナンスは一歩間違うと重大な事故につながる恐れもありますので、ご自身で行う場合は慎重に確実に作業をしてください。
また、自信のない方はオートバイショップへご相談ください。
それでは、楽しいオートバイライフを!!