甲府店・オートバイのブレーキについて

こんにちは(^^)/
バイク館甲府店の塚田です。

今回はオートバイのブレーキについて、少しだけ深堀をした話をしたいと思います。
現在はほとんどのオートバイがディスクブレーキを採用しています。
50ccスクーターや一部の125ccスクーターなどはドラムブレーキを採用しているモデルもありますが。
このディスクブレーキについて、
まずはディスクロータ(ブレーキディスク)についてです。
フロント側は大きく分けてシングルディスクとダブルディスクの2種類があります。
ディスクが片側1枚なのか、左右1枚づつの2枚付いているのか、です。

上の写真はヤマハMT-03のフロントブレーキです。シングルディスクです。
2枚付いていた方が高性能なイメージですよね！
でも現実には1枚ディスクの車両が圧倒的に多いです。
理由はいろいろあって、まずは製造コストの問題、もっと言うと販売価格を抑えるため、です。
また、軽量な車両はそもそもシングルで十分なストップパワーを発揮する、ということ。
軽量化の観点からも1枚の方が軽いので有利です、特に回転する部品は軽いほうがより良いです。
「ジャイロ効果」って聞いたことありますか？
回転している物体はその場にとどまろうとする力が発生します。
一番わかりやすい例がおもちゃのコマですね。
ジャイロ効果が少ないほうがカーブを曲がりやすかったり、オートバイを軽く感じたりします。

この写真はダブルディスクを採用してるカワサキニンジャ1000SXのフロントです。
ディスクが2枚なので当然キャリパーも2個必要で、その分重くなり車両価格も上がります。
その代わりにストッピングパワーは絶大です！

さて、シングルディスクまたはダブルディスクの話をしましたが、今度はそのディスクを挟んで摩擦抵抗を作りオートバイをストップさせるブレーキキャリパ―です。
ここも色々な形が存在しますが、取付方法にフォーカスして説明しますね。
フロントブレーキで主に使われている形はアキシャルマウントまたはラジアルマウントです。
ブレーキキャリパはフロントフォークに取り付けられているのですが、その取付方法のことです。
アキシャルマウント図

↑↑↑こちらはスズキSV650Xのフロントブレーキキャリパですが、アキシャルマウントです。

ラジアルマウント図

↑↑↑こちらはカワサキニンジャ1000SXですが、ラジアルマウントです。

アキシャル→一線にならんだ、同軸上の、などの意味。アクスルシャフトと同じ方向にキャリパ取付ボルトが向いています。
ラジアル→放射状の、という意味。アクスルシャフトに対して放射状にキャリパ取付ボルトが向いています。
アクスルシャフトとはホイールの中心の軸のこと。
性能はどちらがいいの？という疑問も湧きますね。
これは一概ではないですが、ラジアルマウントの方が取付がより強固にできるのでブレーキのフィーリングが良いとされています。
なので、スポーツバイクや大型バイクなどはラジアルマウントの場合が多いです。

また、キャリパの構造も大きく分けて2種類あります。
ワンピース構造(モノブロックキャリパ)またはツーピース構造です。
ワンピース、モノブロックキャリパはその名の通り鋳造一体構造で左右に分割不可です。
剛性に優れているのでスポーツバイクなどに多く採用されています。
ツーピース構造は左右に分割可能です。
ちなみにモノブロックキャリパを初めて開発したのはブレーキのトップブランドであるブレンボです。
その鋳造方法も、より密度の濃いアルミを製造できる鍛造(たんぞう)という技術もあります。
鍛造の場合はアルミを削って形を整える“削り出し”という手法を取っています。「アルミ鍛造削り出し」という響きが大好きな人種が一部存在します(笑)
また、ブレーキパッドを押すピストンの数によっても２ポット、４ポット、６ポットなど分けられます。
上部写真のSV650Xやニンジャ1000SXは4ポット(ディスクを左右に2個づつのピストンで押す)キャリパです。

キャリパの製造メーカーで有名なところは、、、
〇ブレンボ→世界的トップメーカー、イタリアのメーカー。
motoGPやWSBKの車両はほぼ100%ブレンボ製のキャリパを装着しています。
一部ハイグレード車種では純正装着あり。
〇トキコ(TOKICO)→純正装着率が高い日本メーカー。
〇ニッシン(NISSHIN)→純正装着率の高い日本メーカー。
〇MOS(モーターサイクルオブスミトモ)→ヤマハ車純正に採用、日本メーカー。

さて、あなたのオートバイのブレーキキャリパはどこ製でしょうか？
ちなみに、上記写真の「KASAWAKIロゴ」のニンジャ1000SXのキャリパはTOKIKO製です！
トキコキャリパー