カワサキはネオクラシックバイク・W800を現行モデルとしてラインナップしています。しかし、その前身モデルであるW650もまた、生産終了から15年が経過しているにもかかわらず、高い人気です。 この記事では、W650の歴史やルーツをひもとくとともに、人気の秘密を探ります。また、おすすめの年式や購入時のチェックポイントなども紹介するので、W650の購入を考えている人は必見です。
1960年代にまでさかのぼるWシリーズの歴史を振り返ります。
W800の前身モデルとして知られるW650ですが、実はW650にもルーツとなるモデルがあります。ここではカワサキ・Wシリーズの原点を振り返ることで、W650を取り巻く歴史を紹介します。
W650は魅力的なバイクですが、その歴史やルーツを知ることで、さらに魅力的に感じられるのではないでしょうか。
W650に用いられる「W」の名称は、W650が初めてではありません。カワサキが初めてWを出したのは、1966年の650 W1にさかのぼります。
目黒製作所と業務提携の後、吸収合併したカワサキが目黒製作所のメグロ・スタミナKをベースに改良を施し、メグロ・スタミナK2を発売します。その翌年、さらに改良を施し、もともと496ccだったメグロスタミナKは空冷OHV並列2気筒エンジンを搭載する650 W1として生まれ変わったのです。
650 W1は北米市場を中心に高い人気を獲得し、現在の「カワサキ=ビッグバイク」のイメージを確立する一因となります。その後、650 W1は進化を続け、直系モデルとして1973年に発売される650RS W3まで発売し続けるのです。
W3が登場した1973年といえば、国内では750RS Z2が登場した年であり、前年には900 SUPER FOUR Z1が登場しています。すでにW3のOHV並列2気筒エンジンは過去の物となりつつあり、わずか2年で生産を終了しました。
それから25年後、レーサーレプリカブームがすっかり落ち着き、時代はゼファーによって巻き起こったネイキッドブーム真っ只中です。多くのライダーが性能至上主義からバイク本来の楽しさや魅力を楽しむようになったこの時代に、カワサキは新開発の空冷OHC並列2気筒エンジンを搭載したW650を発売しました。
さらに1999年当時はストリートバイク人気も高まっており、W650はバイクに「味」を求めるベテランライダーからカスタム好きのストリートライダーまで、幅広い層に受け入れられたのです。
高い人気を博したW650ですが、排出ガス規制の影響によって2009年のファイナルエディションをもって生産を終了します。しかし、復活を願う声は多く、カワサキはそんな期待に応えるようにニューモデルを投入しました。
それが2011年に発売されたW800です。その名の通り、排気量を675ccから773ccに拡大しました。さらに吸気システムをそれまでのキャブレターからF.I(フューエルインジェクション)に変更し、環境性能を大きく向上したのです。
W800は2020年にフルモデルチェンジを行い、STREETとCAFEという派生モデルも誕生しました。現行モデルでは、さらに兄弟モデルとしてMEGURO K3もラインナップしています。
W650は10年間の販売期間中、1度だけモデルチェンジを行いました。その前後のモデルの特徴や違いを紹介します。
W650は往年のW1〜W3シリーズをオマージュしたネオクラシックバイクです。過剰な装備は持たず、当時の雰囲気を色濃く残しているために、スタイリングを大きく変えるようなモデルチェンジは行われていません。
しかし、排出ガス規制の影響は避けられないため、一度だけ大きなモデルチェンジが行われました。ここではモデルチェンジ前と後のW650を紹介し、その特徴や変更点を解説します。
性能ではなく、美しさを求めて開発されたのがW650です。エンジンはWシリーズのアイデンティティーともいえる空冷並列2気筒を採用します。しかも、360°クランクは必須の要件でした。そこで、新たにベベルギヤを使ったカムシャフト駆動を開発します。非常にコストのかかる手法ですが、一切の妥協はありませんでした。こうして完成した新型エンジンは当時では類を見ない美しさを持ち、W650人気を支えたのです。
また、クラシカルな雰囲気を高めるためにフロント19インチホイールや豪華なタンクエンブレムも、W650の価値を大いに高めました。
全長×全幅×全高 2,175×905【780】×1,140【1,075】(ミリメートル)
軸間距離/最低地上高 1,455ミリメートル/125ミリメートル
シート高 800ミリメートル
乾燥重量 195キログラム
燃料消費率(国交省届出) 37.0km/L(60km/h走行時)
エンジン型式 空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 675cc
最高出力 37kW(50ps)/7,500rpm
最大トルク 56N・m /5,500rpm
燃料タンク容量 15L
タイヤサイズ(前/後) 100/90-19・130/80-18
※【 】 内はローハンドル仕様
初期型の登場から2年後、新たに適用された二輪車排出ガス規制に適合させるためにモデルチェンジを行います。外観やエンジンに大きな変更はなく、新たに排出ガス浄化装置「KLEEN」を装備しました。これは排出ガス中の一酸化炭素や炭化水素などを低減するカワサキ独自の装置で、「Kawasaki Low Exhaust Emission system」の略称です。
また、シート形状を変更し、表皮にタックロールを採用することで、快適性がアップしています。
全長×全幅×全高 2,180×905【780】×1,140【1,075】(ミリメートル)
軸間距離/最低地上高 1,465ミリメートル/125ミリメートル
シート高 800ミリメートル
乾燥重量 195キログラム
燃料消費率(国交省届出) 37.0km/L(60km/h走行時)
エンジン型式 空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 675cc
最高出力 37kW(50ps)/7,000rpm
最大トルク 56N・m/5,500rpm
燃料タンク容量 15L
タイヤサイズ(前/後) 100/90-19・130/80-18
※【 】 内はローハンドル仕様
ステアリングヘッドやスイングアームピボットなど、W650を購入する際に注意したいポイントを紹介します。
2009年に生産を終了したW650は、ファイナルエディションでも14年前、初期型だと24年も前のモデルになります。当然、購入後に思わぬ故障やトラブルが発生する可能性もあるでしょう。
ここではW650を購入する際に見ておきたいチェックポイントを紹介します。また、現行モデルのW800にはない仕様違いなどもありますので、併せて紹介します。
W650にはローハンドルとアップハンドルの2つの仕様がありました。ローハンドルはやや前傾で、アップハンドルは上半身が直立するライディングポジションです。好みで選んで問題ありませんが、可能であれば両方に跨ってみることをおすすめします。
ただし、現実的には両方の仕様を用意しているお店はほとんどないでしょう。また、ハンドルがカスタムされて別の物に変更されていることも多いようです。
ステアリングヘッドとは、フレーム最前部にあるフロントフォークを支えるステムとつながっている部分を指します。ステアリングヘッドには、ハンドルをスムーズに左右に動かすためのベアリングがあります。古いバイクには、このベアリングがグリス切れを起こして損傷していることが少なくないのです。
センタースタンドを掛けた状態でフロントホイールを浮かし、ハンドルをゆっくり左右に切ってみてください。この時、スムーズに動かなかったり、引っ掛かりを感じたりしたら、ベアリングの損傷を疑いましょう。
ベアリングの不調なら整備で完調に戻せます。しかし、事故車などでステムやフレームが歪んでいることもあるので、販売店にしっかり確認しましょう。
スイングアームピボットは、フレームとスイングアームのつなぎ目を指します。バイクのリア周りはリアサスペンションによってショックを吸収しますが、スイングアームピボットが固着していると、リアサスペンションがしっかり動かず、走行性能に影響を及ぼします。
センタースタンドを立てて、タンデムシートに荷重を掛けて、スイングアームがスムーズに動くかを確認しましょう。よほど重症でなければ、スイングアームピボットも整備で完調に戻せます。
W650を購入する際は、バイクショップ選びが重要です。バイク館なら、メンテナンスメニューも充実していて安心でしょう。
W650はファイナルエディションでも14年前のモデルです。購入後の故障やトラブルを心配する方も多いでしょう。だからこそ、W650の購入は車両選びと同じくらいバイクショップ選びが重要なのです。
バイク館なら豊富な在庫からお気に入りの1台を選べますし、購入後の保証やメンテナンスも安心です。その詳細を紹介しましょう。
バイク館の店舗数は2023年11月現在で、北は北海道から南は九州まで、67店舗あります。それぞれの店舗で豊富な在庫を用意しているので、近所のお店に行けば、気に入った車両に巡り会える可能性は大きいでしょう。
もし、お近くのお店でお気に入りの車両が見つからなくても安心してください。バイク館では他店舗の在庫を取り寄せることが可能です。また、通販にも対応しているので、近くにお店がなかったり、お店に行く時間がなかったりしても問題ありません。気軽にバイク選びが楽しめます。
バイク館は、バイク購入後のアフターメンテナンスも充実しています。中でもお得なパック料金で定期点検や基本整備を受けられる「Bikeep(バイキープ)」が好評です。国家資格を持つ整備士によるメンテナンスや点検で、愛車をいつまでも良好な状態にキープできます。一度入会すれば、全国どこのバイク館でもサービスを受けられるので、引っ越しても安心です。
また、メニューにキーパーコーティング施工を加えた「Bikeep plus(バイキーププラス)」も用意しています。
W650は今でも人気のモデルですが、車両は古くなっているので、慎重に選びましょう。
カワサキのビッグバイクイメージを決定づけたW1をルーツに持ち、現行モデル・W800でも人気を維持するのがWシリーズです。W650はそんなWブランドの中興の祖ともいえる存在でしょう。まさに名車と呼ぶにふさわしいモデルですが、やはり古くなっていることもあって、購入時は販売店選びを重視したいものです。
バイク館なら豊富な在庫や安心のメンテナンスメニューをそろえています。また、Webサイトでは在庫情報や「Bikeep」の詳細を確認できます。W650の購入を考えている方は、ぜひ一度アクセスしてみてはいかがでしょうか。