【ZX-10Rの特徴】
ZX-10Rは2004年に登場した、ZX-9Rの後継となる1000ccクラススーパースポーツモデルです。発売当初から、サーキット性能ナンバーワンを目指しており、パワーウエイトレシオ(車両重量と最高出力の比率)が1以下を記録しています。
当時市販車ベースのレースレギュレーションが750ccから1000ccに引き上げられたことにより、リッタークラスSSの開発を余儀なくされたカワサキは、「わかる人だけ乗ってくれれば良い。」と挑戦的で独自的なスタイルとなっていました。
■約20年で8代の型
ZX-10Rは他社SSモデルと同様に頻繁なモデルチェンジを行い、改良・進化を続けています。
ZX1000C型
2004年に新登場したZX1000C型は、車両重量170kg・最高出力175psでパワーウエイトレシオが1以下のとても優秀なマシンとなっていました。
他にもカワサキの独自技術を盛り込んでおり、粗削りな漢カワサキを体現するようなバイクとなっていました。
ZX1000D型
発売から約2年後の2006年からZX1000D型へとモデルチェンジしました。
センターアップマフラーの採用と同時にハンドリングを大幅に見直し、先代のC型に比べてかなり扱いやすいマシンとなりました。
また、オーリンズ製のステアリングダンパーも標準装備となりました。
ZX1000E型
2度目のモデルチェンジでZX1000E型となったZX-10Rは初代C型をさらに扱いにくくピーキーにした印象でした。また、デザインも一新し、特徴的なミラーとウインカーも独特。
サスペンションも硬いセッティングとなっており、サーキットトラックをメインとしたマシンでした。
ZX1000F型
2010年の4代目ZX1000F型はわずか1年のみのレアモデルでした。変更内容を見ると、ほぼマイナーチェンジでしたが、フロントマスクに変更が加えられていました。
ZX1000J/K型
2011年からの5代目ZX1000J/K型は、カワサキ曰く初めてのモデルチェンジ。
このモデルから、外観デザインを一新しました。また各パーツで新設計のものを採用し、先代までのピーキーで乗り手を選ぶバイクから、扱いやすいマシンとなりました。
また、このモデルで2013年に初のSBKチャンピオンに輝いています。
ZX1000R/S/Z/C型
2016年からのZX-10Rは、標準モデルのZX1000S型とABSレスのレースベースZX1000R型、2017年発売のZX-10RRというレース対応のホモロゲーションモデルZX1000Z、2018年発売の上下対応のクイックシフターとマルケジーニホイール、ショーワ製電子サスペンションを装備した高級モデルのZX-10R SE ZX1000C型が存在しました。
ZX1002E/G/H型
2019年から現行までは、標準モデルのZX1002E型、ZX-10RR/ZX1002G型、ZX-10R SE/ZX1002H型となっています。この年から日本国内仕様の販売が開始されました。
日本国内仕様は、ZX-10R KRT Edition・ZX-10RR・ZX-10R SEの販売となり、標準モデルは1カラーのみとなっていました。
2015年から続くSBKでのチャンピオンは、2015・16年はZX1000R型、2017年からはZX10-RR/ZX1002G型で6連覇を達成しています。
ZX1002L/N型
2021年からのZX-10R/ZX1002L型とZX-10RR/ZX1002N型となりました。
主にはフロントフォークのオフセット変更やスイングアームの延長によるホイールベースの延長など。実際にはSBKライダーのジョナサン・レイが変えなくて良いと言ったから変えませんといったスタイルでした。
■ZX-10Rの歴史
2004年に海外専用モデルとして登場したZX-10Rは、毎年のカラーチェンジとリッターSSの題名ともいえる短年でのモデルチェンジを行いました。
初めてのモデルチェンジは2006年、2度目は2008年となっていました。
2010年にはマイナーチェンジでZX1000F型となりました。
翌2011年にもモデルチェンジを行い、この年が転機となりました。
2013年のマイナーチェンジではオーリンズ製の電子制御ステアリングダンパーを搭載しました。
2016年にもモデルチェンジを行い、4モデルのラインナップとなりました。
2019年のモデルチェンジを機に日本国内仕様が設定されました。標準モデルはKRT Editionのみ日本発売となりました。
2021年にマイナーチェンジを行い、カウルデザインを一新しました。この年から標準モデルに通常カラーが追加されました。
また排ガス規制にも対応し、型式を8BLとしました。
【ZX-10Rの装備】
ボッシュ製小型IMUやトラクションコントロール、電子スロットル、ブレーキコントロール等、最高峰の電子制御が搭載されており、カワサキ最高のSSとしての構成となっています。
【ZX-10Rのパワーユニット】
サーキット性能ナンバーワンの目標から圧倒的パワーと扱いやすさの両立を達成しています。より高い回転数でピークトルクに達し、スロットルを開けやすくスムーズな操作性となっています。
【ZX-10Rのシャシー】
アルミ製ツインスパーフレームを採用し、優れたハンドリング性能、コーナリングの安定性、高いレベルのフィードバック性能を発揮します。
サスペンションも最適化されており、高いハンドリング性能とスポーツ性能に貢献しています。