【ZZ-R1400の特徴】
ZZR1400は2006年に発売された、トータルバランスにおいて最強を掲げたメガスポーツモデルです。
1990年から販売されていたZZR1100を各分野で分担させるように、2000年代からは、ハヤブサから市販車最速の称号を奪還すべく開発されたZX-12R、ZZR1100の後継ツアラーを望む声に応えたZZR1200を発売していました。
ただ、どちらも思うような成果を残すことは出来ず、カワサキのフラッグシップモデルのあり方を見直し、全ての長所を終結すべく車両統合が行われ、ZZR1400が生まれました。
ラインナップの中では、日本国内仕様は発売されず、流通は逆輸入車のみとなっていました。
海外市場は主に欧州で「ZZR1400」、北米・マレーシアで「ZX-14」という名称での販売となっていました。
■ZX-12RとZZR1200を終結
主にZX-12Rを基本ベースとして、開発が進められました。ZX-12Rのエンジンを153ccアップさせると共に、ロングストローク化とスロットルボディの小径化などで、ZZR1200の特徴でもある低速域での扱いやすさも向上していました。
フレームはバックボーン式モノコックフレームで、こちらもZX-12R譲りとなっていました。
この結果、ZX-12Rから車両重量はほとんど変わらず、最高出力はラムエア加圧時で200ps、通常時でも190psの圧倒的パワーを実現していました。
■魑魅魍魎のような圧倒的デザイン
スタイリングデザインは、マツダRX-7やロードスター等を手がけた松田俊治さん。バックミラーに映った時に、本能的に避けないといけない、恐ろしさと共に好奇心を生み出すようフロントマスクをデザインしました。実際に、ミラーにZZR1400が見えると「あっ、ヤバい」と感じるライダーも多く、さらには「あの印象的なフロントマスクはどんなモンスターバイクなんだろう」と好奇心も着実に生み出していました。
■ZZR1400の歴史
2006年に発売したZZR1400は、ABS搭載モデルと非搭載モデルの2種でラインナップしていました。また、毎年のカラーチェンジを行い、マンネリ化を防いでいました。
最初のマイナーチェンジは2008年で、排ガス規制への対応となりました。吸排気系部品やピストン形状等を見直し、出力も向上していました。
2013年にはフルモデルチェンジで北米向けと日本国内への逆輸入車の名称をZX-14Rへ統一しました。欧州向けモデルは変わらずZZR1400となっていました。
その後、2019年まで2モデルでの生産が続けられ、2020年に北米以外の地域でHigh GradeをFinal Editionとして発売し、生産終了となりました。日本国内でも2020年モデルを最後に正規逆輸入を終了としました。
【ZZ-R1400の装備】
アナログ指針式のタコメーターと速度計の中心にデジタルメーターを装備しています。
欧州・マレーシア仕様のZZR1400は、イモビライザーシステムを搭載しています。
マレーシア仕様ではセンタースタンドが標準装備となっています。
また、北米仕様のZX-14ではグラブバーが非装着となり、着脱可能なシートカウルが標準装備となっていました。
【ZZ-R1400のパワーユニット】
ZX-12Rをベースとした水冷4ストローク4気筒エンジンは、ロングストローク化とスロットルボディの小径化などで、低速域での扱いやすさを向上させました。これで、ツアラーとしての特徴も兼ね備えることとなり、正真正銘カワサキのフラッグシップモデルとして君臨することとなりました。
【ZZ-R1400のシャシー】
フレームもZX-12Rベースのバックボーン式モノコックフレームとなっており、エアクリーナーボックスとバッテリーとフレームを兼用しており、シートフレームがかなり下から伸びています。これのおかげで、シート高は800mmとツアラーとして取り回しのしやすい高さとなりました。