【ZRX1200DAEGの特徴】
ZRX1200DAEGは2008年の排ガス規制への対応で2009年2月に新登場しました。
当時の開発はカワサキモータースジャパンが中心となっており、輸出仕様を設定しない国内専売モデルとなっていました。
タックロールシートやオーリンズ製リアショックなどが採用された、カワサキ正規取扱店特別仕様車も発売されました。
■ZRXの総仕上げ
水冷Zへの方向転換もあり、先代ZRX1200で生産終了の予定でしたが、それだけでは国産ビッグネイキッドファンが満足しない。ということで、ZRX1200DAEGの開発が始まりました。
ZRX1200Rをベースとし、ZRX1200Rの完成度の高さから、大きく変貌を遂げたわけではありませんでしたが、少しでも良くしようと血眼になって開発にあたっていました。
これは、DAEGという名前からもわかることでした。DAEGは「着実な成長」「進捗」「新しい展開」などを意味するルーン文字となっており、開発サイドの苦労を見た営業サイドから提案されたネーミングでした。
■ZRX1200Rからの変更点
先代モデルでは、ネイキッドのZRX1200、ビキニカウル装着のZRX1200R、ハーフカウルのZRX1200Sのバリエーション展開でしたが、DAEGでは、ZRX1200Rを継承し、ビキニカウル装着モデルのみとなりました。
ZRX1200Rからの変更点は、従来の5速ミッションから6速ミッションへ変更、排ガス規制への対応でフューエルインジェクション化をしていました。
■ZRX1200DAEGの歴史
2009年に発売したZRX1200DAEGは、毎年のカラーチェンジやカワサキ正規取扱店特別仕様車などの発売のほかには、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを行いませんでした。
2017年の排ガス規制を最後に、Final Editionを設定し、生産終了となりました。
【ZRX1200DAEGの装備】
アナログ指針タコ・速度メーターを装備しています。また、盗難防止機構のイモビライザーシステムも採用されています。
標準モデルには、KYB製リザーブ付リアショック。特別仕様車にはオーリンズ製のリアショックが装備されています。
【ZRX1200DAEGのパワーユニット】
エンジンベースはZX-10Rとなっており、排気量こそ先代のZRX1200Rと同じながら、ストップ&ゴーの多い日本の道に最適な出力特性へとセッティングをし、最高出力も110psまで引き上げられました。
6速ミッション化とフューエルインジェクション化によって、広い回転域での快適性が向上し、街乗りからワインディングまで、さらに幅広いスポーツ性能となりました。
【ZRX1200DAEGのシャシー】
諸元上の若干の変更はあるものの、ZRX1200Rベースのシャシーを採用しています。
フロントダブルディスクから来る制動性能は、ZRX1200R譲りのモノとなっていました。
特別仕様車では、オーリンズ製のリアショックの採用で、さらなる快適性の向上と安心感を手に入れました。