VMAX1700の特徴
VMAX1700は2009年に、先代のVmax1200のフルモデルチェンジとして発売されました。
YZF-R1の技術を応用した完全新設計のバイクとなっており、排気量も先代の1200ccから1700ccへと大幅なアップとなりました。
2007年まで存在していた馬力の自主規制が撤廃された翌年の発売で、苦戦を強いられていた小排気量クラスを横目に151ps/7500rpmというパワーを計測しました。
日本国内モデルは151ps、速度リミッター180km/h、国外モデルは200ps、速度リミッター無しとなっていました。
■ヤマハの最高級車として位置付け
VMAX1700の新車販売には条件があり、車両の取り扱いなどの研修を受けたVMAXアドバイザーが在籍する、VMAX取扱店（ほぼYSPのみ）に限られていました。また、新車が店頭在庫として並ぶことも無く、契約後にメーカーから出荷されることとなっていました。
その為、実車に触れる機会を作るため、ヤマハは積極的に試乗会や展示会を開催していました。
アフターサービスの面でも、ヤマハの最高級車としての面があり、購入から3年間、定期点検、油脂類の交換、ロードサービスが無料で受けられました。また、盗難保険も1年間付帯していました。
■緻密に組み込まれた専用パーツの数々
VMAX1700はヤマハ最高級モデルとしていたので、パーツ類の品質にも一切の妥協がありませんでした。実際の開発はVmax1200が発売するより前から始まっていました。実に24年の歳月をかけて完成されたVMAX1700はどの部品を見ても最高級のモノでした。
VMAX1700のトレードマークであるタンク左右にあるエアダクト。このエアダクトは飾りではなく本物で、アルミダイキャスト製の全ての工程が職人の手作業という最高級品でした。
■VMAX1700の歴史
VMAX1700の歴史を辿ると、24年間もの開発時期があります。
ただ、発売後は排ガス規制などの影響もあり、約8年間のラインナップとなりました。
販売期間中は計5回のカラーチェンジを行い、2016年にはヤマハ発動機創業60周年記念カラーも発売しました。
2017年モデルを期間限定で受注し、排ガス規制に対応せずに生産終了となりました。
VMAX1700の装備
金剛力士像をイメージした車両デザインは、筋骨隆々を体現したものとなっており、迫力満載の威圧感のあるスタイルとなっています。
タンク上部にマルチメーターを装備しており、当時は珍しかった有機ELディスプレイを採用。ODOメーターや時計、燃料計、水温計を表示しています。
VMAX1700のパワーユニット
開発が24年ともなると、その間にどんどん新しい技術が生まれてきます。大法となるのはFIシステム。FI化も含む数度の再開発によって誕生したエンジンは、国外仕様200ps、国内仕様151psとモンスター級のパワーを発揮しました。
ただ、国外仕様の200psが後に逆輸入され、車検も通ることがわかり、151psの国内仕様の存在意義が薄くなりました。
VMAX1700のシャシー
エンジンを何度も再開発となると、その度にシャシーも再開発となります。フロントフォークを倒立から正立に変える等も行いました。最終的には高いハンドリング性能を求めて正立フォークを採用するところで解決となりました。
ただ、何度も設計を行っているため、自然と洗礼されたものとなっていき、ヤマハ最高級モデルにふさわしいシャシーが完成しました。
