【R1200GSの特徴】
R1200GSは2004年に登場した、水平対向ボクサーエンジン搭載のアドベンチャーモデルです。1923年にBMWが初めて製造したR32から続くRシリーズとなっており、1980年から販売されたアドベンチャー系列のGSシリーズのなかの一台となっています。
2004年から2019年まで15年と長い期間で生産されたモデルで、2019年以降はエンジンをボアアップしてR1250GSとなっています。
GSシリーズの中で最も成功したモデルとなっており、2007年には200万円オーバーのバイクが販売台数10万台を突破する偉業を成し遂げています。
■朝早く起き出し夕方まで走り続けられる
R1200GSが決して安価ではない車両価格の中で、エンデューロ部門のトップセールスを記録した理由は、もちろん性能による部分が大半を占めています。
先代のR1150GSと比べ、約25kgも軽量化されているコンパクトな車体と燃料タンク容量が大容量で航続可能距離が700kmを超えるところが人気の秘訣です。
アドベンチャーバイクの為、SSのような圧倒的なカタログスペックより、快適性や巡航性能に重きを置かれる傾向で、ユーザーのニーズに合致していました。
■水冷化の2代目R1200GS
2013年のフルモデルチェンジで、ヘッドは水冷・シリンダーは空冷の新水冷エンジンを搭載しました。また、電子制御サスペンションや前後連動ABSなど電子系デバイスも追加されていますが、このエンジン変更は環境規制に対応する目的が一番でした。
ただ、エンデューロ部門のトップセールスを誇るR1200GSは、転ぶ気がしないと呼ばれるほど、すべての面で高いバランスのマシンとなっていました。
■R1200GSの歴史
2004年に登場したR1200GSは2008年に最初のモデルチェンジを行い、エンジンの出力向上やギア比の変更、ABSとグリップヒーターを標準装備するなどの変更が加えられました。
2010年にはマイナーチェンジを行い、OHCからDOHCに変更となりました。これにより、最高出力が5ps向上し、最大トルクも5Nm向上しました。
2013年にフルモデルチェンジを行い、エンジンが一部水冷化となりました。
電子装備が数多く採用され、5種類のライディングモードや電子制御サスペンションも採用されました。
2017年には欧州の排ガス規制であるユーロ4に対応するマイナーチェンジを行いました。
2019年モデルからは、エンジンをボアアップした後継モデルのG1250GSが発売しました。
【R1200GSの装備】
一目でBMWだとわかるアシンメトリーのLEDヘッドライトを搭載。
無段階の調節幅を持つ、大型のウインドスクリーンやナックルガード、グリップヒーターを標準装備としており、長距離走行での快適性を大幅に向上させています。
【R1200GSのパワーユニット】
2013年のモデルチェンジから、新エンジンを搭載しています。
空冷部分65%、水冷部分35%の部分水冷と言われるもので、ラジエーターは左右に分割、冷却ファンは右側のみ装備となりました。
サイレンサーもステップより内側にレイアウトされており、吸排気系統がストレートに近づきました。
【R1200GSのシャシー】
2013年の新エンジン採用と同時にシャフトが左側へと変更されました。
専用設計のアルミダイキャストフレームは、エンデューロでの走行に合わせて最適化されており、疲労しづらい操作性に貢献しています。
フロントサスペンションは、正立フォークとなっており、フロントカウル内に隠れるようになっています。