【NS250Rの特徴】
NS250Rは1984年に、ワークスマシンRS250Rと同時開発された、250ccクラスのレーサーレプリカです。発売前年にはMVX250Fは問題多発で生産中止となり、同じ250ccクラスのマシンの発売が急がれていた過去があります。
水冷2ストロークV型2気筒エンジンは量産車としては、初めての水冷システムの採用となりました。
アルミフレームの採用など、GPマシンの名前を冠するバイクとして、高いパフォーマンスを発揮していました。
■ワークスマシンとの同時開発
250ccワークスマシンのRS250Rとの同時開発により、型式のMC11とエンジン型式のMC11Eと共通となっています。また、クランケースが同一に加えて、NSシリンダーのポートタイミング以外、ミッションのギア比以外、キャブレター・リードバルブの口径以外を共通としていました。
■ライバル車の台頭により、ワークス共同開発へ
速いけど扱いが難しいNS250Rは、ヤマハのTZRなど2stレーサーが台頭してきました。ここで、後継モデルのNSR250Rの開発のために、ホンダワークスのHRCとの共同開発が始まることとなりました。
■NS250Rの歴史
1984年に発売されたNS250Rは、1986年まで生産されました。
マイナーチェンジ等の変更は行われず、1986年に限定カラーを発売しました。
1985年のロードレース世界選手権で500cc・250ccのチャンピオンを記念したロスマンズカラーのモデルを4000台限定で発売しました。
この限定車の発売を最後に、HRCとの共同開発マシンのNSR250Rへとフルモデルチェンジを行いました。
【NS250Rの装備】
250ccレーサーレプリカとして、フルカウルのNS250RとネイキッドモデルのNS250Fを設定しました。
車体デザインはGPマシンのNS500をモチーフとしており、レプリカとして空力性能の高いスタイリングとなっていました。
【NS250Rのパワーユニット】
ワークスマシンと同時開発となっていた影響で、市販量産車として世界初の水冷エンジンの採用となりました。
水冷2ストロークV型2気筒エンジンは、専用のセッティングを施し、一般ロードからサーキットまで、幅広く扱えるマシンとなりました。
【NS250Rのシャシー】
アルミ製ダブルクレードルフレームとスイングアームを採用し、大幅な軽量化を成功させました。また、急ブレーキ時のフロントフォークの減衰力調整機構TRACを装備し、安全性も大きく向上させました。
