【トリッカーの特徴】
トリッカーは2004年3月に発売された、トライアル系でもありBMXのような雰囲気を楽しめるモデルとして登場しました。
セローの派生モデルとして思われがちなトリッカーですが、実はトリッカーは2004年、セローは2005年の発売なので、全くの別モデルということになります。
トリッカーのラインナップは2017年の排ガス規制で一度終わりますが、2018年に対応して再登場しました。ただその後に再度生産終了となり、セローも同時期にFinal Editionを発売したことで、ヤマハのラインナップからコンペモデル以外のオフロードモデルは無くなることとなりました。
■「フリーライド・プレイバイク」
どんな場所でも、どんな乗り方でも、気軽に楽しめるをコンセプトとして開発されました。オフロードバイクとしては、810mmのシート高はリアサスペンションの伸び縮みも含めて足つき性が良く、125kgの重量も軽く扱いやすいものとなっていました。
また、乗用バイクとしては、必要最低限の装備となっており、他のロードモデルと比べても安価で手を伸ばしやすい価格となっていました。
■3代まで続くラインナップ
2004年に発売した初代モデルから、再登場した2018年の3代目まで、約15年以上にわたって生産されました。
キャブレターの初代、FI化の2代目、平成28年排ガス規制に対応した3代目となっています。
せっかく2018年に復活したトリッカーも平成32年排ガス規制(ユーロ5同等)には抗えず、セローと同様ABS搭載の義務化にも泣かされた形となりました。
■トリッカーの歴史
2004年に発売されたトリッカーは、翌2005年に専用ホイールとメタリック塗装のタンクカバーを装着したトリッカー Sを発売しました。
2006年にもカラーチェンジを行い、初代キャブレタートリッカーから2代目に移行しました。
2008年のマイナーチェンジで、フューエルインジェクション化を行いました。また、タンク容量も6Lから7.2Lに拡大し、シート形状も変更しました。
2011年にはGKダイナミックス社(ヤマハ二輪のデザインを数多く手掛ける別会社)から、1970年代前半のTYシリーズをイメージした換装キット発売されました。
その後2017年限りで平成28年排ガス規制に対応せずに、2代目トリッカーは生産終了となりました。
生産終了から約1年。2018年には規制に対応したモデルを3代目トリッカーとして再発売しました。FIシステムの最適化やキャニスターの装備で規制に対応しました。
エンジン出力が若干向上し、タンク容量がわずかに減りました。
【トリッカーの装備】
トリッカーはオフロードスタイルのモデルとして必要最低限の装備としていました。これは、走行に必ず必要なモノのみの採用で、必ずしも必要のない装備は取り除かれていました。
そのおかげで、他のロードモデルと比べて安価で購入しやすい価格となっていました。
【トリッカーのパワーユニット】
セローでも採用された空冷4ストローク単気筒エンジンは、3代目モデルで最高出力20psに到達しました。自由にどこでもどんな状況でも楽しめるよう、常用回転域から高回転域までスムーズな出力ができ、遊びつくせるマシンとなっていました。
【トリッカーのシャシー】
シンプルかつ軽量で安全性のある足回りとなっており、前後シングルディスクで制動能力も申し分ありません。もちろんヤマハ特有のハンドリングが最大の特徴で扱いやすさが最重要視されたモデルでした。