おはようございます。藤岡店の床に落ちているやまぐちです。
前回はバイクを選ぶ要素の一つとしてエンジンタイプをご紹介しました。まだ読んでない方は是非以下のリンクからご一読ください。
【車両紹介】ばいく の まめちしき【エンジン編】そして今回はフレーム編ということでバイクのあらゆるユニットを支える人間でいう骨の部分をご紹介します。ここで得た知識でこのバイクは〇〇フレームなんだよとみんなに自慢してやりましょう。そして相変わらずビギナー向けの話になると思うのでベテランさんたちは復習的なサムシングで。
当然ですが、バイクはフレームがないと各ユニットを固定できずバラバラになってしまいます。そしてフレームはユニットを固定するだけでなく、エンジンから吐き出される強大なパワーや路面の凸凹を踏んだ時の衝撃を受け止める役割を持っています。そう、フレームって触るとあんなにカッチカチですが実はねじれたり撓んだりしているんですよ。これを一般的に「剛性」といいます。「強度」とは別で、強度は壊れにくさのことです。
そして、フレームもエンジンと同様いろいろな種類があります。それぞれメリットデメリットがあるので奥が深いですよ。
それでは一つずつ紹介していきます。(メジャーなフレームのみでいきます。)
【ダブルクレードルフレーム】
クレードルとは「ゆりかご」の意です。エンジンの下を二本のフレームがぐるっと囲っているのが特徴で、ホンダのCBシリーズなど、国産ネイキッドに採用されています。
性能としては高剛性・高重量。剛性が高い分フレーム負けを起こしにくく極低速走行時以外は抜群の安定感を誇ります。しかしネックなのは重量。教習車にも採用されているCB400SFが400CCクラスであれだけの重量を持っているのはこのフレームが理由です。
【バックボーンフレーム】
ダイヤモンドフレームとも呼ばれます。バック(背面)ボーン(骨)とあるように、人間の背骨のようにエンジンの真上を一本のパイプが通るカタチをしています。
先述のダブルクレードルと比べて、なんか頼りなさそうな印象かと思います。エンジンにいたってはぶら下がってるような構造ですし。しかし現代の主流はこのバックボーンタイプなんです。みんな大好きニダボやニンジャはこのフレームですよ。
なぜダブルクレードルよりバックボーンなのかというと、まずは軽さ。下のパイプ二本を無くすことで大幅なダイエットが可能です。次に剛性ですが、エンジンを吊り下げる構造上エンジンにフレームの役割を持たせることができるためダブルクレードルと変わりない剛性を確保できます。分かり易いのはホンダ CB1000Rですかね。エンジンの下はフレームがいないのが一目瞭然です。
【トラスフレーム】
トラス(三角形)で構成されているちょっと特殊なフレームです。国内ではカワサキ H2が採用しています。ドゥカティやKTMが好んで使うフレームですね。トラスフレームは製造コストがかかるためちょっと高価なバイクが多いですが、その剛性は特筆すべきものがあります。よく見てみると分かるのですが、場所によって太さや長さが違うんですね。これはフレームに掛かる負荷が場所によって違うためです。
諸元表のフレームにダイヤモンドとあるのにトラス構造をしているバイクがありますがあれは単に補強のためについているだけで、この補強だけで構成されたのがトラスです。
【ツインスパーフレーム】
エンジン上部の左右を極太のフレームが支えるタイプ。「ツイン」のフレームがエンジン上部左右を「スパー」ンと通るカタチと覚えられます。
性能として超高剛性でロードスポーツ等ハイパフォーマンスなバイクはほとんどこれです。これだけ太いと重くならないの?と思ったそこのアナタ。バックボーンと同様下は何も通ってないので軽量です。安心してください。剛性が高いということは、フレームが撓みにくいということですので低速走行時は不安定になります。いかにも速そうなスポーツバイクが交差点等を曲がるときにコテンと倒れてしまうシーンを見たことがある人もいると思いますが、あれはフレーム剛性が高すぎて全く撓んでいないからなんですね。
他にも紹介していないフレームがたくさんあります。中にはフレームレスなんてものもありますよ。さらにフレームの材質によって強度と剛性も変わってきます。一般的にはアルミがよく用いられていますが、世界レースのmotoGPではカーボンも使われています。
バイクは見た目だけでなく、エンジンやフレームでも選ぶ要素があります。見た目はすごく鋭くて速そうなバイクでも、エンジンはマイルドに乗りやすさ重視で組まれていたりする車種もあればおとなしそうな見た目のバイクのエンジンがスポーツバイク譲りのエンジンを積んでいるなんてことも。
~バイク館藤岡店やまぐちの何の役にも立たない豆知識~
人体のフレーム「骨」はヒト一人に約200個ある。「約」というのは、個人の年齢によってばらつきが生まれるためです。人体は成長すると骨同士が結合して一つになる部位があります。骨盤や胸骨がそれです。
世界で一番骨を多く持つ生き物はニシキヘビで、1800本もの骨をもっています。逆にいちばん骨の数が少ない生き物はなんとサメです。全身を構成する硬骨は顎と歯だけ。他は軟骨で構成されています。