【ZX-14Rの特徴】
ZX-14Rは2012年に発売された1400ccメガスポーツツアラーモデルです。欧州名称「ZZR1400」、北米名称「ZX-14」のフルモデルチェンジを機にZX-14Rと名称変更を行いました。ZX-12R以来となるZX-Rという名称の復活となり、発売前からかなりの宣伝を行い、自信をもって発売したモンスターマシンでした。
各販売地域によって名称が変わっています。日本での逆輸入車は、2011年まではZZR1400、2012年以降はZX-14R。欧州は通じてZZR1400。北米仕様は2011年までZX-14、2012年以降はZX-14Rとなっています。
■メガスポーツとして世界最速へ
市販量産車として世界最速を目指したZX-14Rは、最高出力200psを達成したモンスターマシンとして有名です。ただ、日本国内での公道では、ZX-14Rのフルスペックを体感することは叶いません。信号待ちから1速でスロットルを開けていくと、2速に上げる前に法定速度に到達します。高速道路でも合流から数秒で100km/hに到達するほどです。
これは、スペックを持て余すのではなく、ワインディングから高速巡航まで、余りあるパワーが余裕を生み出してくれます。
■ZZR1400からZX-14Rへの変更点
ZZR1400からZX-14Rへのフルモデルチェンジで変更されたのは、KTRC（Kawasaki Traction Control System）の採用です。また、バックトルクリミッターの採用や3種類のパワーモードが選択可能になるなど、電子装備の追加が目立ちました。
ただ、変更点はこれだけではありません。外観はフロントマスクを一新し、ヘッドライトがさらに凄みを増したデザインとなっています。
スペックに反映されない変更も行われ、この部分がZX-14Rとして重要な変更となっていました。
フレームの剛性を大きく見直すと共に、サスペンションの再セッティングやホイールの軽量化、スイングアームの10mm延長など大きな変更を加えられており、軽量化のおかげて軽快感が大きく向上しました。
■ZX-14Rの歴史
2012年のフルモデルチェンジからのZX-14RはABS搭載モデルと非搭載モデルの2種類のラインナップとなっていました。登場から毎年のカラーチェンジを行っており、限定モデルの発売もありました。
2014・15年にはオーリンズ製サスペンションを採用したOHLINS Editionを発売しました。
2016年にはマイナーチェンジを行い、EUの排ガス規制ユーロ4に対応しました。また、このモデルかABSが標準装備となりました。
同時にブレンボ製のフロントブレーキシステムやオーリンズ製ＴＴＸ３９リアショックを採用したHigh Gradeを発売しました。
その後、2019年まで2モデルでの生産が続けられ、2020年に北米以外の地域でHigh GradeをFinal Editionとして発売し、生産終了となりました。日本国内でも2020年モデルを最後に正規逆輸入を終了としました。
北米仕様車のみは2022年現在も生産が続いています。
【ZX-14Rの装備】
アナログ指針式のタコメーターと速度計の中心にデジタルメーターを装備しています。
グラブバーには荷掛けフックを装備しており、積載性も確保されています。
左右2本出しのマフラーも高級感を演出しており、ZX-14Rの大きな特徴となっています。
【ZX-14Rのパワーユニット】
1441ccの水冷4ストローク4気筒エンジンが誇るパワーは、日本国内どころか世界を見渡しても、ドイツのアウトバーン以外で発揮することは難しいのではないかというほどです。
スーパースポーツとしての瞬発力も備えており、1速のみでもすぐに頭打ちとなります。
【ZX-14Rのシャシー】
ZZR1400から形状の変更はありませんが、剛性を見直しています。また、上級モデルでは、ブレンボ製のフロントブレーキシステムの搭載やオーリンズ製サスペンションの採用など、グレードに合わせて、最適な足回りを装備しています。
