【WR250Xの特徴】
WR250Xは2007年11月に発売した、WR250Rと共に発売されたモタードモデルです。
オフロードにおけるYZF-R1というコンセプトで開発されたWRシリーズで、Rはトレールとしてブロックパターンのタイヤを装着していたのに対して、Xはオンロードメインのスーパーモタードとして、前後17インチのオンロードタイヤを装着していました。
■WR250Xこだわりの開発
WR250Rにオンロードタイヤを履かせただけとの声が市場でも上がっていましたが、実はブレーキローターからキャリパーまでWR250X専用の装備となっていました。また、エンジンのマッピングも全く異なる設定となっていました。
これは、ヤマハ初のスーパーモタードの開発というだけではなく、日本メーカーで初めてオフロードバイクを作ったヤマハのプライドから来るものでした。
■なぜオフロード/モタード?
発売当時は、排ガス規制の影響でオフロードバイクが続々と姿を消していた時期でした。ただ、市場での需要はオンロードバイクであり、オフロード/モタードはニッチなジャンルでした。
なぜそのオフロード/モタードで開発を始めたのか。もちろん会社からの指示(レース仕様のWR250Fから市販車を作れ)もありましたが、開発者曰く、「250で最も深い楽しみが味わえるから」ということでした。
これは、オフロードからオンロード、さらにツーリングやワインディングまでこなせるのがオフロード/モタードであり、SSのように免許が無くなるほどスピードを出す必要もなければ、林道で転んで怪我をする必要もない、日常生活で気軽に楽しめる為でした。
■WR250Xの歴史
WR250Rから2週間ほど遅れて登場したWR250Xは、生産終了まで一度もマイナーチェンジやモデルチェンジは行われませんでした。
2013年、2015年を除いたすべての年にカラーチェンジを行っており、YSP限定のストロボカラー等も販売されました。
最後は2017年に排ガス規制に対応せずに、WR250Rと共に生産終了となりました。
【WR250Xの装備】
モタード仕様として、専用装備や専用セッティングを詰め込んでいるWR250Xです。
先ずはモタードして最重要事項のタイヤは前後17インチのラジアルタイヤ。
他にもブレーキ系統やエンジン系統でも専用セッティングとなっており、当時のヤマハフラッグシップモデルとして恥じないスペックでした。
【WR250Xのパワーユニット】
エンジンは、高回転の水冷4ストローク単気筒で、31ps/10000rpmと250ccもたーでとしては、2022年現在から見てもフラッグシップモデルにふさわしいエンジンです。
また、オフロードのYZF-R1ということもあり、乗っている最中はスーパースポーツに乗っていると錯覚するほど。
WR250Xが大絶賛され、人気が衰えないのはこのあたりに理由があります。
【WR250Xのシャシー】
国内の公道モデルとして初めてアルミ製フレームを採用。高い剛性を誇り、軽量化とも両立しています。
減衰力調整機構が採用されている倒立フォークは、軽快なハンドリングに大きく貢献しています。